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下田茶園

江戸時代に造られた通潤橋によって農地となった白糸台地にある、築100年以上の古民家の改修

1994年
山都町

住み手は「この家は自分が子どものころから既に古くて暗くて寒く、それが農業の辛さを象徴しているようで嫌いだった」そうです。
しかし改修後は「家が明るく、温かくなったことで、農家の誇りに変わった」「この家が地域の人や消費者など、色んなご縁を運んでくれる」。と言ってくださいます。

建築概要
古民家再生
木造2階建て

この古民家は通潤橋によって潤された白糸台地にあります
住み手はお茶の無農薬栽培~生産・販売までを自ら行い、無農薬栽培と農業6次産業化のパイオニア的存在です。 農業視察でドイツに行った時、現地の人が築400年の建物に住み続けながら魅力ある暮し方をしていることに感動し、自分達の建物の魅力を再発見し、自宅を再生することを決断されました。

再生工事の第一段階は、土壁、天井、床を解体し、木造の骨組だけにして水洗いをし、長年の歪みや劣化部を直すことから始めました。
土壁の再生、建具の取替えを行って、水回りや居室を使いやすく変更し、小屋裏を居室に改修しました。
また住み手の強い希望で、木の切株を丸ごと燃やせる大きな温水ボイラーを設置。 温水を循環させて各部屋のヒーターで放熱し、居間には薪ストーブを設置して暖かい家を実現しました。
当時「薪の準備が大変ですね」と言うと「化石燃料はなるべく使いたくないのです」と言われました。
この家の住み手は、農業のこと地球のことを深く考えておられるご家族です。

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